茶花

                           

額紫陽花(がくあじさい)
ユキノシタ科の落葉低木。暖地の海岸の斜面に自生する。高さ約 2m。葉は対生し、卵形で厚い。六、七月頃枝先に大形の散房花序をつける。和名の由来は、花序の周囲に四、五枚の萼片から成る淡紫色の方形の装飾花があり、これを額縁に見立てたものという。中央に多数小さい両性花があるが、目立たず一見蕾に見える。両性花は結実する。がくそう。がくのはな。がくばな。アジサイの原種。

角虎の尾(かくとらのお)
ハナトラノオ(花虎ノ尾)の別名。シソ科の多年草。北アメリカ原産で日本には大正時代に渡来。茎は四角く、高さ約1メートル。葉は狭長楕円形。夏、茎頂の細長い花穂に淡紅色の膨らみのある唇形花を多数つける。和名の由来は、花穂の姿が虎の尾のように見え、茎の断面が四角形だからとされる。

加茂本阿弥(かもほんなみ)
ツバキ科ツバキ属の常緑低木。京ツバキといわれる園芸品種の一。白色の一重抱え咲き。大筒蕊、大輪。蕾の先端に三頭裂の蕊が現れるのが特徴。葉形は、広楕円で大形、濃緑色で淡黄色の斑が入る葉を持つことがある。関西では古くから茶花として愛好された品種という。

唐桃(からもも)
バラ科サクラ属の落葉小高木。アンズ(杏子・杏)の別名。花は3月末〜4月に咲き葉・花ともに梅に似ているが花期はややおそく花色も淡い紅色である。初夏に梅に似た実を付け、果実はジャムや乾果物として食用とされる。中国北部が原産。日本には古代に中国から伝えられ、万葉集にも「加良毛毛(カラモモ)」として登場する。カラモモをアンズと言うようになったのは江戸時代からという。和名の由来は、唐(中国)からきた桃からという。

刈萱(かるかや)
イネ科の多年草。山野に自生。高さ1メートル内外。ススキよりもやや草丈が低く、葉は線形で細長く、他部とともにまばらに白毛がある。秋、長い芒(ほう)のある穂をつける。ひげ状の堅い根はたわしとする。メガルカヤ(雌刈萱)、オガルカヤ(雄刈萱)とがある。和名の由来は、屋根を葺くために刈る萱という意味からという説がある。

寒菊(かんぎく)

キク科の多年草。菊の一品種。中国原産。開花期によって春菊、夏菊、秋菊、寒菊とわけ、一般的に12月から1月に咲くものを寒菊と呼ぶ。花期が他のキクの仲間に比べて遅く、寒くなってから咲くので寒菊の名があり、秋咲きのコギクを改良したもので、丈も低く、花つきも少ない。霜にあって葉が色づいたものを照葉(てりは)といい、葉が紅葉した寒菊を、照寒菊(てりかんぎく)といい、風情があるのでその時を好んで使われる。 ただ、永禄7年(1564)に堺の茶人 直松斎春渓が筆録した 『分類草人木』 には 「花ニ不生花アリ、太山樒ナドノ様ナル盛リ久シキ花嫌也。花柘榴モ不入。寒菊ノ葉ノ紅葉シタル不入。」、貝原益軒の元禄7年(1694)『花譜』に「寒菊 葉も花も常の菊より細なり。十月に黄花を開きて、臘月に至る。花なきときひらく故、花賞するに堪たり。京都は寒き故、其葉もみぢして、葉もみるに堪たり。菊と同類なれども、花の時節かはる故に、別に記す。」とある。


寒牡丹(かんぼたん)
冬に咲くように栽培した牡丹。ふゆぼたん。カンボタンという品種はなく、在来種を品種改良した二季咲き性のものを、春につく蕾を残らず摘み取り、夏の終わり頃に葉を切り取ると、新たに蕾と葉が生じてくるが、これを霜に弱いので初冬から霜囲いをし、暖かいところに保護して冬に開花させるもの。花は夏咲きに比してやや小型になる。多くは白、桃、紅赤色の半八重である。

木苺(きいちご)
バラ科キイチゴ属の落葉低木の総称。やや乾いた山野に自生し、全体にとげがある。葉は広卵形で掌状に五裂。春に白色の五弁花をつける。果実は球形の集合果で、初夏、黄色ないし紅色に熟す。和名の由来は、一般に食用にされる苺に対し、木になる苺であるところからという。

桔梗(ききょう)
キキョウ科の多年草。日当たりのよい山野に生え、高さ約1m。葉は長卵形で、裏面がやや白い。8、9月ごろ青紫色の釣鐘形の花を茎頂に数個つける。つぼみのときは風船状をなし、花びらの先が5裂して開く。園芸種には白色花や二重咲きのものもある。秋の七草の一。根は漢方で薬用。『新撰字鏡』(892〜900)に「桔梗 阿佐加保 又云岡止々支」とあって、万葉時代に朝貌(あさがお)と呼ばれていたのが桔梗とする。おかととき。ありのひふき。きちこう。和名の由来は、桔梗という中国名に由来するという。

京鹿子(きょうがのこ)
バラ科の多年草。古くから庭園に栽培される。茎は高さ約1メートル。葉は手のひら状に深く切れ込み、縁にぎざぎざがある。六月頃に上方に枝を分かって紅色五弁の小花を密に多数つける。シモツケソウに似る。白花品種を夏雪草(なつゆきそう)という。

金水引(きんみずひき)
バラ科の多年草。道端や山野に自生。茎の高さは 50〜150cm。全株に長毛が密生。葉は羽状複葉で、小葉は長楕円形。7〜9月に茎の先に細長い穂状花序を立て黄色い五弁の小花を多数つける。果実を包む萼(がく)には鉤状の毛があり、動物などに付着する。果実が衣類に簡単につきやすいことから、ヒッツキグサという別名もある。和名の由来は、黄色の花穂を,金色のミズヒキにたとえたという。

黒椿(くろつばき)
ツバキ科ツバキ属の常緑低木。江戸時代から栽培されてきた園芸種「江戸椿」の一品種。暗紅色の重ねの薄い八重の小・中輪で筒蕊。葉形は、長楕円で小形、暗紫色のぼかしがある。樹形は横張り性で伸びが遅い。花期は3〜4月。水野忠暁著、大岡雲峯・関根雲停画の文政12(1829)刊『草木錦葉集』に名が見えるという。

黒文字(くろもじ)
クスノキ科の落葉低木。山地に多く生える。樹皮は、新しい枝は緑色であるが、次第に黒褐色となる。葉は楕円形で両端がとがる。雌雄異株。早春、黄色の小花を多数散形花序につけ、秋に黒熟する小液果を結ぶ。香気があるので、香油を採り、また楊枝などを作る。和名の由来は、樹皮の黒い斑点が文字のように見えるところからという。

黒百合(くろゆり)
ユリ科の多年草。本州中部以北の高山の草原に生える。高さ30センチメートル内外で、葉は披針形の葉4、5枚が数段に輪生する。初夏、茎頂に暗紫褐色で斑点がある鐘状花を一つないし数個横向きにつける。

小菊(こぎく)
観賞用に栽培される花の小さい菊の総称。輪の大きさによって花径18cm以上の大菊、9cm以下の小菊、その中間の中菊に区分されるなかで、山菊とも呼ばれる小輪の菊で、花型も一重、八重、ボンボン、丁字、平弁、サジ弁など変化が多く、花色も豊富。寒さに強く冬になっても咲いているので、開花期によって「残菊」「晩菊」「冬菊」「寒菊」とも呼ばれる。

小手毬(こでまり)
バラ科の落葉小低木。高さ約1.5メートル。株立ちし、枝の先が垂れ、葉は長楕円形で先がとがる。春、枝先に白い小花が半球状に群がり咲く。中国の原産で、庭木にする。和名の由来は、小さな花が丸く集まり、手毬のように咲くこと から「小さな手毬」で「小手毬」になったとされる。

小判草(こばんそう)
イネ科の一年草。高さ約 50cm。葉は線形。夏、茎頂のまばらな円錐花序に楕円形で淡黄緑色の小穂を下垂してつける。ヨーロッパ原産。明治初年に渡来し、観賞用に栽培される。別名:タワラムギ(俵麦)。和名の由来は、小判形をした穂を垂れるところからという。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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